株式会社 三光精衡所
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三光精衡所製大型反射鏡を搭載したCTA望遠鏡が完成しました

2018年10月に北大西洋のスペイン領カナリア諸島で建設が進んでいた最新鋭望遠鏡
「チェレンコフ・テレスコープ・アレイ(以降CTA)」の1号機が完成しました。

このCTAプロジェクトは31か国の研究機関から1400名以上の
研究者が参加する国際的プロジェクトで、日本からも
東京大学宇宙線研究所を始めとする研究機関が参加しています。
このプロジェクトでは超新星爆発や巨大ブラックホールの
周辺などから放出される高エネルギーのガンマ線が、
地球の大気と反応して出す弱い光(チェレンコフ光)を
観測します。
そのために約200枚の反射鏡を並べ、直径約23mの巨大な
望遠鏡を建造しました。
これは2018年現在稼働している望遠鏡において世界最大の
サイズだそうです。
CTAが完成した際には観測装置の感度が飛躍的に向上します。
その結果ブラックホールや暗黒物質(ダークマター)の謎や
誕生初期の宇宙の姿の解明が実現するのではないかと
期待されます。
弊社は東京大学宇宙線研究所の手嶋政廣教授のご指導の下、
望遠鏡に使用される反射鏡の製造を行いました。
反射鏡は対辺1.5mの六角形をしており、非常に広い反射面を
有しています。
写真ではほぼ平面に見えますが、曲率半径57mの球面状の
凹面鏡になっています。
集光能力のように鏡面の80%以上の反射光を57m離れた地点で
直径30mmの範囲に集光することが可能です。
しかもこの反射鏡は研磨を行っていません。
そのため、従来の反射鏡に比べて製造コストを大幅に
抑えることに成功しました。
CTA望遠鏡は屋外に設置されるため、反射鏡表面の反射膜は
耐候性も求められます。
三光精衡所製の反射鏡の表面はスパッタリングにより5層の
マルチコートを施し、強力な膜を成膜することで
高い耐候性を実現することに成功しました。
このような成果が評価され東京大学宇宙線研究所の
梶田隆衝所長(2015年ノーベル物理学賞受賞)より
感謝状をいただきました。
弊社の製造技術が科学の進歩の一助となり、このように
感謝状をいただけたことは、光栄なことであると同時に、
さらなる技術の向上を目指そうというモチベーションへと
つながりました。
東京大学宇宙線研究所の皆様にこのような機会をいただけたこと、
製品完成まで根気強くご指導いただけたことを
感謝いたしております。

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